日本の新幹線事故

運転士が不在の3分間の間に、運転資格のない車掌が運転席に座り、規則違反となる事案がありました。

新幹線の運転士は、乗客を乗せて時速150キロで走行中にトイレに行くため運転席を離れたことで、懲戒処分に直面しています。

身元が明らかになっていない運転士(36)は腹痛を覚えたことからトイレに行く間、車掌に運転席に座るよう依頼したとのこと。

共同通信社によると、新幹線ひかりの運転資格を持たない車掌は運転席に座ったものの、3分間の不在の間、機器には触れなかったと報告しています。

今回の事案は先週末、乗客160人を乗せて高速で走行中に、東京と大阪を結ぶ人気の高い東海道新幹線で発生しました。

もし新幹線が1分遅れていなければ、運転士は予期しないトイレ休憩をごまかしていた可能性もありますが、時間に厳しいことで知られる日本で調査が行われたことで発覚。

列車を運行しているJR東海の早津昌浩運用課長は、運転士の行動は「非常に不適切」であったとして謝罪しています。

新幹線は最高時速320kmで日本全国の都市を結びます。

2001年には回送列車で運転士が席を離れる事案がありましたが、乗客がいる新幹線で運転士が走行中に離席した例は過去にありません。

新幹線が開通したのは、前回の東京オリンピックが開催される直前の1964年。それ以来、脱線や事故による死亡者が出ておらず、遅延がほとんどないことで知られ、抜群の安全性を誇っています。

1995年にはドアが閉まる直前の新幹線に飛び乗ろうとした高校生が死亡し、2015には乗客が焼身自殺を図り死亡し、同じ車両に乗っていた女性が煙を吸って死亡しました。

新型コロナウイルスの流行で乗客数が減少したにもかかわらず、東海道線は1日に40万人以上の乗客に利用されています。

新幹線が2014年に開業50周年を迎えるまでに、東京-大阪間で56億人を運び、総走行距離は20億キロに達しています。これは、地球を5万回周回できるほどの距離です。

新幹線の運転士が体調を崩した場合は指令室に報告し、適任の車掌に操縦を引き継ぐか、次の駅で停車する必要があります。

JR東海によると、今回の運転士は次の駅で停車させて時間を無駄にしたくなかったなどと説明しています。